パナソニック「GH6」を予約しなかった理由

 先日OMデジタル「OM SYSTEM OM-1」を予約した話を掲載しましたが、今回はパナソニック「LUIMIX DC-GH6」を予約しなかった理由を紐解いていこうかと思います。決してパナ機がダメとかそう言う事はなくてパナソニックの優先順位と私個人の優先順位の違いかもしれません。

パナソニック

「GH6」のマーケティング

元々「GHシリーズ」は動画ガチ勢に向けたミラーレス機であり、最近はYouTubeなどのコンテンツやライブ配信などで静止画よりも動画が重要視される事が多く、コロナ禍でWebカメラ需要もあり幅広い層に " 動画 " 需要をはじめ動画の価値観が定着・普及してきました。「GHシリーズ」の購入層のほとんどが静止画というよりも動画用途で使用する事が多いと思いますが、「GH6」発表時のプレスリリースと製品ページは、静止画ユーザーそっちのけで終始動画ユーザーにアピールしており、CP+2022のパナソニックが配信した「GH6」コンテンツも動画に時間をかなり割いていた印象。

この辺のところは以前ブログに書きましたが、静止画メインでプラス動画を撮影する自分は途方に暮れちゃったんですよ…^^; ミラーレス機は静止画と動画を高いレベルで実現しており " ハイブリッドカメラ " と表現される事が多いのに動画性能ばかりプロモーションするパナソニックのマーケティングは正解かもしれないけど、ちょっと自分の中で疑問に感じました。

もちろんソニーも動画志向カメラ「α7S III」をラインアップしていますが、コンセプトの違う「α7」「α7R」シリーズ最新機をラインアップしており、現時点でパナソニックがスチルコンセプトの「G9」や「GXシリーズ」の後継機を投入するのかどうかはっきりしていません。はっきりしていない以上「GH6」はハイブリッドカメラとしての売り出し方が個人的には良かった。キヤノン「EOS R5C」も「EOS R5」の存在があるからこそシネマEOSの流れを汲む事ができたと考えています。

ダイナミックレンジブースト

「GH6」はデュアルネイティブISOを進化させたような " ダイナミックレンジブースト " を搭載しています。製品ページを見る限り動画撮影に対応しており最大13+ストップのダイナミックレンジを実現している模様。この機能が静止画でも使えるのか、条件付きで使えるのか、フルタイムでダイナミックレンジブーストの効かせて静止画撮影ができるのか気になるところ。

DFD

パナソニックは今回「GH6」に対して " DFD " という表現を避けた印象ですが、これまで通りDFD技術をベースに仕上げたコントラストAFシステムを搭載しています。センサーと描画エンジンが刷新され「GH5」より検出速度が3倍向上し、リアルタイム認識AFが進化した事をアピールしています。

自分は「G8」「G9」と使い続けていますが、静止画においてDFDは、マクロ域と望遠域の撮影で足が出るというかDFDが厳しく感じる事があるんです。普段のスナップや試し撮りの領域では感じませんが、マクロレンズや(超)望遠レンズを使用し本気モードで撮るシーンであればあるほど絶望しちゃう事も。望遠域で1回フォーカスが抜けてしまうと糸が切れた風船みたいに帰って来なくなるし、マクロ域ではコントラストが非常に浅い被写体ではウォブリングしまくりまったくフォーカスが合わない事も…^^; この問題は個人的に大きくて「OM-1」の全画素AF (1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF方式) を使ってみたいと思ったのも確か。

どうやらパナソニックは、次世代AFシステムを開発中(その1その2)のようで、それを待っても良いかな~という思いも。スチルコンセプトの「G9」後継機を計画しているのであれば、DFDよりも新世代AFシステム搭載に期待したいし、将来的なLマウント Sシリーズに搭載してくる可能性も。

冷却ファン

パナソニック

「GH6」は高い映像品質を実現しながら長時間撮影を可能にすべく冷却ファンを採用した放熱構造を採用しています。…が、スチルをメインに使う前提で「GH6」を考えると冷却ファン非搭載でより小型軽量なボディの方が自分にとって便利に感じました。
  • GH6 … 138.4mm x 100.3mm x  99.6mm / 739g (本体のみ)
  • OM-1 … 134.8mm x 91.6mm x 2.7mm / 511g (本体のみ)
GH6」はそこそこのレンズを装着すると軽く1kgを超えてくるイメージでしょうか。自分はストリートスナップメインなので1日中カメラを手に持ちながら歩き続けられるカメラを考えると「OM-1」の方が分があるのかなと。OMデジタルは、米谷イズムに立ち返り小型軽量化の優先順位はパナソニックよりも高い印象です。

「GH6」の動画性能は自分にとって機能過多


パナソニック


動画メインで「GH6」を使用される方は、「GH6」の映像品質をはじめ設定項目が幅広く、拡張性も高いので頼もしい相棒となってくれそうな予感。ただ「GH6」を静止画メインで使うと「GH6」の高い動画性能が宝の持ち腐れになりそうな感じがして…どうなんだろう。パナソニックはCP+2022で「マイクロフォーサーズのラインアップもフルフルで展開していく」と発言しており、それならば「G9」や「GXシリーズ」後継機が出るのかどうか見定めてからでも遅くないと判断して「OM-1」を予約しました。
  • 2019年 … G99 (海外名 G90)
  • 2020年 … G100、BGH1
  • 2021年 … GH5 Mark II
  • 2022年 … GH6
パナソニックは毎年何かしらマイクロフォーサーズ 新型機を投入していますが、何気に動画志向カメラ多い印象。あとコロナ禍で撮影に出かける事が大幅に減少したため、時間的に動画を撮る余裕がなく静止画を撮るので精一杯の状況である事も「GH6」を見送った1つの理由になります。

もうパナソニックのカメラ&レンズを購入しないという事はないですが、自分に合ったカメラ&レンズが登場してくれないと困ります。とにかく「GH6」も「OM-1」も売れてマイクロフォーサーズ市場が活性化してくれる事に期待です。





コメント